離婚で実家に出戻ってきた女性が描かれた映画のご紹介

「ノン子36歳(家事手伝い)」映画

離婚で実家に出戻ってきた女性が描かれた映画まとめ

離婚することがさほど珍しいことではない現代の日本ですが、離婚という出来事がその後の生活や心の具合に大きな影響を及ぼすことには変わりはありません。離婚とは人生に関わる大きな出来事であり、紙一枚の手続きではなく、そこにはひとりひとりの人生ドラマが詰まっています。

今回は、そんな離婚を経験した女性たちや彼女たちを取り巻く人々が織りなす様々なドラマを描いた、日本の映画作品をいくつかご紹介したいと思います

日本アカデミー賞の優秀作品賞などを受賞した有名作品のほか、「夫婦とは、結婚とは、家族とは、愛とは……。」そんなことをしみじみ考えてみたくなる味わい深い個性的な作品ばかりです。

■洗濯機は俺にまかせろ

篠原哲雄監督により1999年に公開された作品です。
筒井道隆と富田靖子が主演を務めました。

街の小さな中古家電屋で、木崎は店番をしていました。ここは中古の家電製品を修理して販売する店でしたが、そこへある日ずぶ濡れの女がやってきたのです。

図々しくもずかずかと店の奥に入り込む女を、木崎は訝しげに思いながら「あんた誰?」と尋ねるのです。何でもこの女は社長の一人娘である節子で、嫁に行ってから木崎がこの店にやってきたので、二人は初対面になります。

節子はラジオで深夜番組を担当するDJでしたが、結婚に失敗した上に仕事もなくなりふらっと実家に帰ってきたのです。

ここは本店とは別の支店で、気まずさから本店には戻りにくかった節子が、この支店にやってきたのでした。そこで同居人としての生活が始まりました。最初はぎくしゃくしていた二人でしたが、次第に二人の距離が埋まっていく事を感じていました。

離婚と仕事を失った事から何とか立ち直ろうとする節子と、そのそばで付かず離れずの距離にいる木崎との奇妙な関係。


ふわふわした二人の関係の中、節子が以前好意を寄せていた大紙と再会するのですが…。

離婚後に少しづつ立ち直っていく女性と、そのそばで見守る男を描いた作品となっています。

■おとうと

山田洋次監督により2010年に公開された作品です。
吉永小百合と笑福亭鶴瓶の共演でも話題となった作品です。

東京で小さな薬局を営んでいる吟子(吉永小百合)は、夫を早くに亡くして一人で娘の小春を育て上げました。義母である絹代とともに3人で慎ましく暮らしています。吟子には、役者を夢見ながらも年齢だけを重ねてしまった弟の丹野鉄郎が居ます。

鉄郎は娘の小春の名付け親でしたが、夫の十三回忌の時に酒に酔って大暴れした事から、長らく連絡を取っていませんでした。
しかしこの度、小春が結婚する事となりそれを聞いた鉄郎は披露宴に駆けつけてきたのです。

親戚が鉄郎に酒を飲まない事を誓わせたのですが、結局鉄郎は目の前にあったシャンパンを飲んでしまったのです。
酔ったままマイクを握った鉄郎は、やりたい放題で披露宴をぶち壊しにしてしまい、そんな哲郎の存在は後に小春夫婦の離婚の原因となってしまいます。

出戻りとなった小春は再び実家で3人での生活をしていたある日、一人の女性が薬局を尋ねてきたのです。何でも鉄郎の恋人だというその女性は、鉄郎に金を貸したが今や行方知れずだと鉄郎直筆の借用書を持って来たのです…。

出戻った娘の再起と家族との関わりを描きながら、同時に姉と弟と親族を描いた作品となっています。
1960年におとうとを撮影した市川崑監督へのオマージュとして制作された、おすすめの作品となっています。


■パーマネント野ばら

吉田大八監督により2010年に公開された作品です。
原作は西原理恵子で、新潮45にて連載されていました。

パーマネント野ばらは、海のそばにある小さな町唯一のパーマ屋です。パーマネント野ばらは、お母ちゃんが一人で切り盛りしているのですが、そこへお母ちゃんの娘のなおこが離婚して娘を連れて出戻ってきました。

野ばらは町の女達の集会所として、愚痴や悲しみ、時には罵り合い大笑いしあう憩いの場となっています。

なおこは中学教師のカシマと交際していましたが、誰にも内緒にしていました。

美容院の手伝いをしているところへ、なおこの友達のみっちゃんがやってきますが、みっちゃんは旦那が浮気をしているのが許せないので、ヘアスタイルに気合を入れるために野ばらにやってきました。

そんなみっちゃんが血まみれで寝ているなおこの元にやってきます。寝ていた所でちまみれの友人を見ておどろくなおこでしたが、みっちゃんの話でさらに驚く事になります。
なおこのもうひとりの友達のともちゃんは、愛猫のポンタが死んでしまったとやってきました。なおこは一緒にお墓を作ってあげるのです。

実家でのそんな女達のはちゃめちゃの中で、なおこは立ち直って行こうとするのですが…。

最後のドンデン返しをお見逃しのないように見て頂きたい作品です。

■代行のススメ

山口智監督により2009年に公開された作品です。
産休の教師の代理教師として、木村かよは小学校で子供達に授業を教えていました。代理として途中から入る事になりましたが、子供達とも徐々に仲良くなってきました。

しかしそれでも任期は近づいてきています。
そんな中で夫は前の彼女とよりを戻すという事で、かよと夫は離婚する事になったのです。夫にとって自分は過去の恋人の変わりだった事を悟るのでした。


仕事も婚姻関係も破綻して人生の転換期を迎えたかよは、実家がある山間部の田舎へ戻る事にしました。
夫にとって自分は誰かの変わりでしかなかったという事は、これ以上誰かの変わりなんてしたくないという思いとなりました。


そんなかよの思いは、実家の家業である運転代行の仕事を受け入れる事ができない理由となってしまいます。
しかし母が倒れてしまった事で、実家の家業を手伝うしかなくなってしまうのです。最初は気が進まなかったかよですが、仕事の中で父の母に対する裏切りという、知らなかった辛い現実を目の当たりにする事となってしまうのです…。

辛い日々に訪れる過酷な現実、それでも尚立ち上がろうとする女性の姿を描いたおすすめの作品となっています。


番外編〜江戸時代に生きた女性の離婚と結婚〜

■武士の献立

朝原雄三監督により2013年に公開された作品です。

春はその持ち前の気の強さから嫁ぎ先から1年で離縁され、現在は加賀藩六代藩主の側室であるお貞の方へ仕えています。春の料理の腕前は確かで、藩内で屈指の料理人であった台所方という侍、舟木伝内からぜひ息子の嫁にと請われます。

一度は離婚を経験した身として二度目の結婚に躊躇する春だったのですが、お貞の方の後押しもあって嫁入りを決めたのです。
そうして春と夫婦となった安信は、料理の腕はおろか家を継ぐ気もなく春にも興味を示さない年下の男でした。

結婚早々に、舟木家では親戚への料理振る舞いの席が設けられましたが、安信の料理は不評だったために、春は自分の作った料理と入れ替えました。
それが気に食わなかった安信は怒り、安信の喧嘩を買う形で春は料理対決を申し入れたのです。

春に料理対決で惨敗した安信は、春からの料理指導を受け入れる事となったのですが、その腕はみるみるうちに上達していったのです。

舟木伝内もその光景に安心し隠居したのですが、安信と春夫婦は安泰かと思いきや、政治の混乱に巻き込まれてしまう事となり…。

実在の包丁侍を違った角度から描いた作品で、夫を支えた姉さん女房が見どころのおすすめ作品となっています。


Copyright (C) 「ノン子36歳(家事手伝い)」映画 All Rights Reserved.